私が在学していた高校は県内でも進学校として有名だったんですが、中学の時とは違い成績がトップから転落していって、それまで誇っていたプライドが脆くも崩れ去り、一年の冬頃には中退という苦い決断を下しました。
あれからしばらく引きこもって、自室のカーテンを開けずにゲームで遊んで精神を保っていたんですが、私は一人っ子ですし、自分がこんなんじゃダメだとはいつも考えていました。
とにかく何かしら仕事をしようと考え、美術館の仕事の求人を見つけたので、とにかく応募してみました。
実を言うと私は幼少期にイギリスに住んでいたことがあり、日常会話程度の英語だったら出来たので、そのおかげか採用に至りました。
実際英語のスキルは、美術館では大いに役立ちました。
外国人のお客さんが多いので、英会話をする機会は頻繁にあります。
同僚との関係も良好で、非常に楽しい仕事だったんですが、短期のアルバイトだったので、すぐに楽しい時間は終わってしまいました。
ですがこの短いアルバイトが、自分にとって人生の転機となったのです。
海外へ再び目を向ける機会にもなり、現在留学への準備を整えている段階です。
また、美術館に務めたことで絵に対する興味も湧いたので、あくまで趣味ですし独学ではありますが、絵の練習も始めてみました。
学生だった頃を考えると、随分と方向性が変わったなとは思いますが、一度崩れたものを自分で新たに積み直していくのは、希望が溢れていく実感が湧きます。