僕の家では両親が毎日の様に喧嘩をし、学校では周りと馴染めず、自分も次第に学校をサボりだし、家にも帰らなくなっていました。
ここで非行に走るかと思われそうですが、徹底して人間嫌いの僕は悪い友達すら出来ず、ただその辺をブラブラして時間を潰す事しかしてなかった気がします。
そういった自分が嫌だった反面、家や学校にいるよりずっとマシだったというのも皮肉な話でした。
当然未成年が日中町に出歩いたら補導されるので、おまわりさんに交番へ連れて行かれました。
ベタにカツ丼を食べさせてくれるもんなのかなぁと思っていたら、ラーメンを注文してくれて、僕はズルズルとラーメンを啜りながらおまわりさんの質問に答えていたんですが、何で自分の口からあんなに言葉が出たんだろうと、話しながら疑問には感じましたが、今思えば人と話したくて仕方なかったんだと思います。
おまわりさんは僕の事を叱ったりはせず、聞き役に徹してくれました。
この際、実は通信制高校も勧められたんですが、最初は乗り気じゃなく、でもおまわりさんの人付き合いが苦手だという姪っ子が通信制高校に通い始めてから生き生きとしてきたという話だったんで、それを聞いて興味を持つ様になりました。
それで補導されれば当然ながら親を呼び出されるので、母がやって来て僕を怒鳴る訳ですが、この時おまわりさんは母を説得してくれたのを見て、涙を堪えるのが結構大変でしたね…。
帰ってから家族会議に至り、父と母はいつもの如く喧嘩になった訳ですが、喧嘩の原因の一つに自分の事も挙げられるのが辛いし、出来ればさっさと離婚してくれと言ったら、後はもう事が済むのは早かったです。
とりあえず僕は父親に付いて、家事全般を任される事になり、通信制高校に通うことも許されました。
父に付いていった理由は、母より厳しいから、これ以上甘えられないと自分で決意したからです。
通信制高校に通うと言っても、大学に進学する事が条件付きなので猛勉強の最中ですけど、今の高校生活は同じ穴の狢って言ったら表現が悪いかもしれないですが、自分と共通した子達が多いんで、前いた学校と違って随分気楽です。